皆さん、大変ご無沙汰しております。
さて今回はブラジルでバイクに乗る時に、命を救う必需品の一つをご紹介したいと思います。
まずは写真を見てください。
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写真を見る限り、日本でも販売されている「ネックウォーマー」に見えます。
もちろん首を風から防ぐためにも役立ちますが、実は「首切断防止用」のネックカバーなんです!
常識的に考えると、「なぜ首切断防止なの?」と思いますが、実はブラジルでは昔から凧揚げが流行っていて、大人から子供まで「安く長時間楽しめる」遊びとして知られています。
凧揚げでも「ケンカ凧」が非常に好まれていて、相手のタコ糸を素早く切るために、多くの人は「セロル」と呼ばれる「ケンカ凧専用糸」を使うことが多く、別名では「殺人タコ糸」としても知られています。

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ふつうのタコ糸に見える「殺人タコ糸のセロル」(写真:インターネットから引用)

なぜこのタコ糸は危険かといいますと、実は弾力性の高いタコ糸に、蛍光灯のガラスを粉末のように細かく粉々にしたガラスの破片と、接着剤を混ぜたものを塗り付けられていて、まるで「糸ノコ」と同じような感じで、ものすごく「切れる糸」に仕上げられているのです。
皆さんは、「切れる糸はわかるけど、なんで首が切断されるの?」と思ってることでしょう。
実は凧揚げを楽しんだ人の多くは、遊んだあとに「切れる糸」の回収や処理をすることなく、そのまま放っておいてしまうのです。長いタコ糸が電線に引っかかっていたり、糸が張った状態で道路を横断していたりなど様々。
そこにバイクが通ったところで、タコ糸が車体に引っ掛かり、カウルやスクリーンなどから滑って首のあたりで糸が止まり、走行中に糸が首をすり抜けた場合でも、多少の圧力で首が切れてしまうのです。
首に当たらなくても、体の一部をかすっただけでも皮膚を簡単に切ってしまい、大けがをする人が続出するのです。
※被害は住宅地や貧困層が住む地区、そして空地近辺や郊外で発生することが多いです。

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セロルに使われるガラスの粉(左)/ガラスの粉が混ざった接着剤を糸に塗る作業(右)
(写真:インターネットから引用)

そこで首切断防止用のネックカバーが威力を発揮!
ネオプレーンで作られているネックカバーは、首の辺りが2層になっていて、そこに殺人タコ糸でも切れない鉄のケーブルが入っているのです。仕組みとしては、首の部分にタコ糸が当たって擦った場合でも鉄のケーブルで糸は首に当たることはなく、ある程度タコ糸が張った状態で圧力がかかったところで、糸が切れてしまうという狙いなんです。もちろん、もしも鉄のケーブルがないところに、タコ糸が当たってしまったら怪我をしてしまいますが…。
因みに気になる被害者数ですが、サンパウロ市内で年間100人は死亡しているそうです(汗)。
参考情報:殺人タコ糸は、ブラジル全国で禁じられていますが、大人に限らず子供も作って利用していることがあるため、取り締まることが困難なのです。

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セロル使用禁止キャンペーン広告(写真:インターネットから引用)

ここからかなり衝撃的な写真になりますが、ブラジルではタコ糸による被害は絶えないのです!




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(写真:インターネットから引用)




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セロル使用禁止全国キャンペーン(写真:インターネットから引用)

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バイクで走行中に殺人タコ糸で被害にあった人(写真:インターネットから引用)

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殺人タコ糸が引っ掛かり、首が切れた人(写真:インターネットから引用)

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重傷を負った人(写真:インターネットから引用)


子供も大人も、決してセロルを作らないでください!